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  • ChiyodaStaff

「抽象世界 Abstraction: Aspects of Contemporary Art」展、最終日

大阪中之島、国立国際美術館の「抽象世界 Abstraction: Aspects of Contemporary Art」展最終日。猛暑の中でしたが午後3時過ぎにたどり着いて拝観…じゃない、見学…でもないな、鑑賞というほどでもなく、観照などと大仰なものでもなく、ゆるゆると步を進めながら、いつものようにちょっと居心地の悪い緊張感を味わいつつ、それでも広々した空間に抱かれている感覚に浸りつつ、見て回りました。


唯一のとっかかりは展示ポスターの写真にも使われているフランツ・ヴェスト(Franz West)。彼の作品の実物に接することが一番の目的でした。真面目くさったゴツゴツした岩の表面におよそ趣味を排したと言いたくなるような軽い浮薄な色(彼の作品の色彩を「funky」という英語で表すことが多いようです)が塗られていて、それが鉄の棒(?)に支えられて地面から浮き上がるように展示されている。その存在感、その力は想像以上に印象に残るものでした。例えば、意味からそっぽを向いて無意味を指向しているようなこの作品の佇まいと、そこに傾注された真摯な制作エネルギーの両方を並べて考えた時、そのちょっとアイロニカルな、でも肯定的な作品総体の力は、ふと、生きていることの深いところまで届く射程をもっているような気がしました。


唐突だが、「(彼に倣って)一生懸命やらねば、やはり」とちょっと気合いを入れられた、そんな作品を見た大阪の夏。外は暑かった…。

国立国際美術館
国立国際美術館(The National Museum of Art, Osaka)Aug.4 2019

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